<サンマリノ>イタリアの中にある世界で5番目に小さな国は、世界最古の不思議な共和国だった

🇸🇲サンマリノ 2018年8月16日

小さな国って、なんだかとても興味がわきませんか?

世界一小さな国は、ローマ・カトリックの総本山であるバチカン市国、2番はモナコ、3番・4番は南太平洋のナウルとツバル、そして5番目に小さな国が今回訪れたサンマリノ共和国です。

イタリアの中に取り残されたような小さな国は、山の上に築かれた絶景の世界遺産。そして、「世界最古の共和国」でした。

サンマリノへの行き方 イタリアのリゾート地リミニからバスに乗って

イタリアの中にある小さな国「サンマリノ共和国」への玄関口は、アドリア海に面するリゾート都市リミニです。

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私たち夫婦が宿泊したのはイタリアの「美食の町」ボローニャ。

ボローニャの中央駅を午前8時に出発する特急列車に乗り、リミニへと向かいます。

片道1時間10分ほどの列車の旅、料金は16ユーロでした。

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リミニの駅前通りを渡った少し右手に、小さなタバコ屋兼土産物屋があります。

注意深く見ると、「TICKET   SAN MARINO」と書かれた看板がかかっているので、この店でバスのチケットを購入してください。

往復で10ユーロ。

この店でチケットを買っておくことをオススメするには理由があるのです。

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切符を買って右手に進むと、サンマリノ行きのバス停があります。

すでにかなりの人がバスを待っていましたが、列になっていないのでなんだか嫌な予感がしました。

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サンマリノ行きのバスは1日12本。

私たちがリミニ駅に到着したのは9時13分。切符を買って9時25分発のバスに乗るのはかなりバタバタです。

バスは少し遅れていました。

ローマ行きのバスが先にやってきて、大きな荷物を持った人たちが乗り込みます。

サンマリノ行きのバスを待つ人たちの間にも、少し緊張が走りました。一列に並んでいないので、バスが来たら早い者勝ちになることが予想されます。

その時、ローマ行きのバスを追い越すようにして1台のバスが止まりました。

サンマリノ行きです。

群衆が一斉にバスに押し寄せます。こういう状況を予想していた私は、のんびりした妻を促して素早く動きました。とても写真を撮る余裕などありません。

バスの入り口から我先に乗り込む乗客たち。遠慮していたら座席がなくなり、次のバスを待つ羽目になってしまいます。

何とか妻を押し込み、私も続いて無事に乗り込みました。

事前にチケットを買っておくことは、生存競争を勝ち抜く上で必要なことなのです。

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ところが、結果的にはバスが予想外に大きくて、全員座ることができました。

ちゃんと並んでいれば、あんなに混乱しなかったのに・・・。

ともあれ、バスは定刻を少し遅れてリミニを出発したのです。

知らぬ間に国境越え!ティターノ山を撮影するなら、バスの左側の席に

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リミニを出発して20分ほど走ると、遠くに岩山が見えて来ます。

ティターノ山です。

あの山の頂にへばりつくように築かれたのが、サンマリノの街です。

不覚にも何も知らず右側の席に座ってしまいましたが、サンマリノに向かう道中、ティターノ山の写真を撮ろうと思ったら、左側の席に座ることをオススメします。

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30分ほどでバスはティターノ山の麓にたどり着きます。

岩山の上に築かれた3つの塔がはっきりと見えてきました。

ティターノ山は739m。

海岸に位置するリミニから緩やかに登って来たのです。

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「サンマリノ」の標識が見えました。

小さなサンマリノ共和国の首都サンマリノ市は、ティターノ山の山頂にあるのです。

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角を曲がると、黄色の制服を着た警官らしき人影が見え、多くの車が止まっていました。

ここが国境かと思ったら、山頂に登るロープーウェイの乗り場らしく、知らぬ間に国境を通過していたようです。

イタリアとサンマリノの国境がどこだったのか、バスに乗っているとまったくわかりません。

サンマリノ共和国の面積は日本の十和田湖と同じくらい、文字通り四方をイタリアに取り囲まれた浮島のような独立国なのです。

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バスはつづら折りの山道をノロノロ上がり、リミニからおよそ45分で山頂のバスターミナルに到着した。

リミニでは混乱して撮影できませんでしたが、サンマリノ行きのバスはこんな感じ、白地のボディーに水色の文字が書かれています。

白と水色は、サンマリノの国旗の色でなのです。

世界遺産サンマリノ① 【聖フランチェスコ門】美しい旧市街とタックスヘイブン

バスがサンマリノ市の駐車場に到着すると、そこからさらに上へと歩かなければなりません。

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バスターミナルは、すごい急峻な山の上に造成されていることが上から見るとよくわかります。

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黄色の制服をした警官が・・・。

ここがサンマリノ市の正門です。

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サンマリノ市では、信号を見かけません。

正門の前で交通整理に当たる警官の黄色い制服が、青空をバックにまぶしいほどです。

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こちらが、サンマリノの正門に当たる「聖フランチェスコ門」。

この内側が旧市街、サンマリノの歴史地区です。

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門の内側には、世界遺産のプレートが掲げられていました。

「サンマリノの歴史地区とティターノ山」は、2008年に世界遺産に登録された。

山の上に残る中世の街並みと独特な歴史が評価されたのです。

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聖フランチェスコ門を過ぎると、細い坂道がうねうねと続きます。

坂の両脇には商店が並び、まるでフランスの観光名所モン・サン・ミシェルにそっくりです。

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売られているのは、きれいな石鹸や・・・

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革製品・・・

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なぜか、アヒルのおもちゃ・・・

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これまたなぜか、ミリタリーショップもたくさんありました。

サンマリノ共和国には消費税がないため、買い物目的でこの国を訪れる観光客も多いと言います。

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路地を抜けると素晴らしい眺望が広がります。

サンマリノを訪れる観光客は年間300万人、その観光収入がGDPの50%を占めています。

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サンマリノ共和国は法人税も17%と安く、いわゆるタックスヘイブンと呼ばれる国の一つです。

だから、この小さな国の中に11もの金融機関があるといいます。

その結果、驚くことに人口3万3000人ほどのこの国の国民1人あたりのGDPは世界13位。

周囲を取り囲むイタリアはもちろん、ドイツ、フランス、イギリスや日本よりも高いのです。

世界遺産サンマリノ② 【観光案内所】レアで美しい「観光ビザ」を購入する

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坂を上がっていくと、窪地になった競技場が現れました。

とても歴史を感じさせる場所です。

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ここでは今でも、伝統的な石弓の競技会が開かれています。

石弓とはボーガンのようなもので、サンマリノの石弓兵は有名だそうです。

山の下から侵略してくる敵を、この石弓で撃退し街を守り抜きました。

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さらに坂を登っていくと、ロープーウェイの駅に到着しました。

文字通り断崖絶壁の上に作られた駅です。

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ロープーウェイは、先ほどバスで通った麓の町ボルゴ・マッジョーレと山頂のサンマリノを結んでいます。

はるか彼方に、イタリアのリミニの町とアドリア海が見えました。

まさに絶景の地、街全体が展望台のようです。

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近くに石造りの観光案内所がありました。

目立たないので、注意深く探さないと気づかずに通り過ぎてしまいます。

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サンマリノの入国にはビザは必要ありませんが、観光案内所で5ユーロ払えば、記念に観光ビザをもらうことができます。

せっかくなので、私たちも5ユーロ払ってビザを取得することにしました。

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キラキラと光るシールも貼ってくれて、見た目も綺麗な立派なビザです。

サンマリノは、独自の切手やコインも発行していて、これがコレクターたちの間ではレアものとして人気なのだそうです。

小さな国でも、知恵を絞れば小さいがゆえに価値を持つレアな商売があるのです。

世界遺産サンマリノ③ 【リベルタ広場】世界最古の共和国には2人の元首

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そしていよいよ、サンマリノ旧市街の中心リベルタ広場へ。

広場に面した塔を持つ建物が、サンマリノ共和国の政治を司る「政庁」です。

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こちらがサンマリノ共和国の国旗。

1797年に制定されたこの国旗は、白色は純粋さ、水色は空とアドリア海を表現しているそうです。

そして中央の紋章にはティターノ山の3つの塔が描かれ、自由を意味する「LIBERTAS」の文字が添えられています。

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サンマリノの歴史を調べてみると、301年ローマ皇帝によるキリスト教迫害を逃れて石工のマリノがティターノ山に立てこもったのが始まりとされています。

その後、外敵の侵略に耐えて領土を守ったサンマリノの人々は、1631年ローマ教皇によって独立を承認されました。

その時すでに大統領を要する共和制をとっていたことから、サンマリノは「世界最古の共和国」と呼ばれているのです。

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世界最古の共和国サンマリノは、独特の政治スタイルを持っています。

国の元首は「執政」と呼ばれますが、なんと2人います。

元首が2人いるのです。

しかも任期はわずか半年。5年ごとに行われる選挙で選ばれた大評議会議員の互選で選出され、独裁権力を生まないユニークな仕組みなのです。

伝統である共和制への強い誇りがその制度に表れているのでしょう。

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政庁の玄関には、緑色の制服に身を包んだ衛兵が立っていました。

しかし、緊張感はまったくありません。

サンマリノには世界最小規模の軍隊があると言いますが、実際の防衛はイタリアに委ねているそうです。

人口3万人の小国には、現代の戦争など到底無理な話なのです。

世界遺産サンマリノ④ 【NIDO  del  FALCO】要塞を望む絶景のレストラン

リベルテ広場を離れ、さらに坂道を登ってみます。

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サンマリノにはこんな立派な大聖堂もありました。

石造りの建造物が青空に映えます。

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その大聖堂の前の坂道をさらに登っていくと、絶壁に突き出すように建てられたレストランを発見。

時刻はまだ11時半と少し早いですが、ここでランチを食べることにしました。

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「NIDO  del  FALCO 」という名前のこのレストラン。

テラス席からはサンマリノのシンボルである要塞を間近に望むことができます。

まだ時間が早いせいか、お客さんがおらず最前列の絶景の席に案内されました。

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左の方向を見れば、遠くアドリア海を見下ろし・・・

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右側を見ると、3つの塔のうち一番北に位置する要塞「ロッカ・グアイタ」を望むという最高のロケーションです。

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テーブルに料理が並びました。

こんな絶景の中だと、何を食べても美味しく感じてしまいます。

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私が注文したのは「お肉のランチ」(15€)。

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妻が頼んだのは、「シーフードサラダ」(14€)です。

どちらもこの旅行中に食べた食事としては、トップクラスだった気がします。

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心地よい風が吹く、とても気持ちのいいお店。

ここまで登ってくる途中にはいくつものレストランがありますが、迷わずにこの絶景の店まで上がってくることをオススメしたいと思います。

「 NIDO  del  FALCO 」
電話: +378 (0549) 990648
営業時間: 08:00-22:00
http://www.nidodelfalco.com/Index.htm

世界遺産サンマリノ⑤ 【ロッカ・グアイタ】から見る第二の砦【チェスタの塔】

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食事を終え、坂道をさらに一番上まで登っていくと・・・

サンマリノ第一の砦「ロッカ・グアイタ」が待っています。

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4.50ユーロの入場料を払うと、こんな可愛らしいデザインのプラスチック製の入場券をもらえます。

この山を抱えた聖人が「聖マリノ」なのでしょうか?

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砦の中は、きれいに整備されていました。

さすが観光立国ですが、歴史の重々しさはさほど感じません。

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植栽はとても綺麗で、ボローニャあたりに比べても、ずっと手入れが行き届いているように感じました。

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塔に登り、北の窓から眺めると、今登って来たサンマリノ旧市街の古い街並みが見えます。

そのはるか彼方に、私たちが宿泊しているイタリアのボローニャの街があります。

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南側の窓から見えるのは、第二の砦「チェスタの塔」です。

さらにその向こう側に、第三の砦「ロッカ・モンターレ」があるはずです。

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本当によくこんな場所に要塞を築いたものだ、と感心してしまいます。

この城を攻め落とすのは、航空機のない中世には容易でなかったでしょう。

戦争は、人間にとんでもない力を発揮させるものです。

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塔の最上階には、ハシゴを登らなければなりません。

上りの人と下りの人が一つのハシゴを使うため、かなりの渋滞が発生しますが、それでも登る価値は十分あるでしょう。

「ルパン三世」の舞台にもなったサンマリノの魅力

要塞を出た後は、坂道をブラブラと下ります。

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気温は25℃と表示されていました。

下界に比べると、山の上の街はかなり涼しいのです。

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清潔なので、歩いているだけで楽しい街です。

特別な何かがあるわけではありませんが、この景色を見て、この国の歴史を知り、こんな小さな独立国がなぜ存在できるのかを考えるだけでも訪れる意味があります。

我々が当たり前だと思っている「国」という概念が少し変わった気がしました。

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正門を出て、駐車場へ向かう途中、こんなポスターを見つけました。

そういえばサンマリノは「ルパン三世」の新作の舞台ともなったのです。

またカリオストロの城のモデルと言われる「サン・レオ城」も、サンマリノのすぐ近くにあります。

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サンマリノからリミニに戻るバスも、行きと同様、押し合いへし合いの混乱状態となりました。

それでも、サンマリノ共和国には一度行ってみる価値があると私は思います。

ボローニャからの日帰り旅行、時間があれば絶対にオススメです。

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